おもちゃを投げようとする子どもに、親が低い姿勢でかごとやわらかいボールを見せているイラスト

物を投げる子、
叱る前に「投げる理由」を見てみましょう

ブロックを積んでいたかと思えば急に投げ、食卓からコップを床へ飛ばし、怒ると手に取ったおもちゃをパッと投げつけます。親は「どうしてこんなことを?」と思いますが、同じ「投げる」に見えても、子どもがその行動で得ているものはそれぞれ違います。

この記事で見ること

  • 「投げる」は一つの行動に見えても、その理由は違います
  • この時期の子が「投げる」をやめにくい本当の理由
  • 探索なのか、もどかしさの表現なのか、関心の確認なのかを見分ける方法
  • 投げる直前に使える短い介入の手順

まず一言でいうと

子どもが物を投げるとき、悪い癖がついたわけではありません。今この子の脳では、衝動を止める力がまだ育っている途中で、投げることがその瞬間に一番早い表現方法だっただけです。「投げる」が何の役割を果たしていたのかを先につかめば、同じ場面でより安全な行動へ導くことがぐっと楽になります。

🔍「わかっているのに、どうしてまた投げるの?」の本当の理由

子どもがルールを言葉で復唱できるのに投げると、親は「わざとやっている」と感じます。でも、この時期の子がルールを口にできることと、興奮したり怒ったりした瞬間にそのルールを行動に移すことは、脳ではまったく別のことなのです。

衝動を止める力、次の行動へ切り替える力は、脳の前のほう(前頭葉)が育って初めて身につく能力です。この領域は3歳を過ぎてもまだまだ発達し続けます。怒ったり興奮したりした瞬間には、すでに知っているルールでさえ行動につなげるのが難しくなります。2〜3歳が身体的な衝動表現のピークにあたる時期なのも、ここに理由があります。

そのため「だめ」とだけ繰り返すと、かえって投げる行動が激しくなる場面が出てきます。止められた瞬間に代わりの行動を知らない子は、止められたときにこれまでの行動をより強く出してしまいます。代わりの行動を一緒に教えたときにこうした爆発が減ったというのは、研究でも確認されているパターンです。

🧩 「投げる」が果たしている役割は違います

同じ「投げる」でも、子どもがその行動から得ているものは違います。どんな理由なのかを先につかんでこそ、対応が変わります。

探索のための投げる

こんな場面。
怒った表情ではありません。物が飛んでいく軌道を目で追い、落ちる音を聞いて満足しています。拾ってはまた投げます。
どうして?
この時期の子は、物を投げたり、振ったり、落としたりしながら、世界がどう動くのかを学んでいます。重さや軌道、音、親の反応を観察すること自体が勉強なのです。このタイプは特に、歩き始めてからよく見られます。
こうしましょう。
投げてもいいやわらかいボールとかごを別に用意してあげます。探索の衝動はなくせないので、安全な対象へ導くことが要です。親が大きく驚く反応はかえって行動を強めてしまうので、静かに代わりを差し出します。

もどかしさを表す投げる

こんな場面。
ほしいものがもらえなかったとき、遊びが急に中断されたとき、やりたくないことが目の前に来たときに、手に取った物を投げます。投げる直前に表情がこわばったり、体に力が入ったりします。
どうして?
「いや」「つらい」を言葉で表すのが難しい年齢ほど、強い感情が体の動きとして先に出ます。子どもはわざと攻撃しているのではなく、感情の出口を見つけられずにいる状態です。
こうしましょう。
まず感情に短く名前をつけてあげます。「怒ったんだね」。次に区切りを簡単に伝えます。「投げちゃだめ」。最後に代わりをすぐ見せます。「このボールは投げていいよ」。説明が長くなると、すでに体が高ぶっている子には届きません。

関心を確かめる投げる

こんな場面。
投げたあとすぐに親の顔を見ます。親が大きく反応すると、スピードが上がったり、笑い出したりします。
どうして?
親の関心がほしいのに、ほかの方法を知らないとき、いちばん早く反応を引き出せる行動を使います。投げれば親が駆け寄ってくることを学習したのです。
こうしましょう。
投げることには、できるだけ小さな反応で静かに対処します。代わりに、子どもが親を呼んだり、手を伸ばしたり、目を合わせたりした瞬間を大きく拾ってあげます。危なくない関心の求め方をもっと出せるように育てることが要です。

体が高ぶりすぎた状態の投げる

こんな場面。
走って笑っているうちに、だんだん激しくなります。遊びだったものが、いつの間にか人のほうへ物が飛んでいきます。子ども自身も止められないように見えます。
どうして?
身体の興奮が高まった状態では、衝動を止める力がさらに弱くなります。悪気があるのではなく、体がすでに高ぶりすぎていて、ブレーキがかかりにくい状態なのです。
こうしましょう。
体を使った遊びをいったん止めて、力を安全に使える活動へ切り替えます。重いクッションを運ぶ、壁を押す、ボールを転がすなど、力は入るけれど方向がコントロールされる動きが役立ちます。

📅 歩き始めた子と言葉が出てきた子、投げ方は違います

歩き始めて最初に投げが増えるときは、ほとんどが探索が理由です。物が飛んで音を立て、親が拾ってくれるのが面白いのです。この時期は「危なくなければ小さく反応し、代わりに安全に投げられる対象を別に渡す」が要になります。

18か月前後では、探索ともどかしさが混ざります。ほしいものが得られなかったり、していた遊びを急にやめなければならないときに物が飛びます。感情が強くなる一方で言葉がまだ足りない時期なので、体が先に動きます。このときは、感情に名前をつけることと、代わりの行動の練習を一緒に始めます。

2歳を過ぎると「投げちゃだめ」を言葉で復唱できることもあります。でも怒ったり興奮したりすると、やはり投げます。ルールを知っていることと、その瞬間に止まれることは別のことだからです。この年齢では、投げたあとに結果を短く確かめてあげ、次に怒ったら何ができるかを一緒に考えてみることができるようになります。

✋ その瞬間すぐ使える手順

  1. 危ない物は静かに片づけましょう。

    ガラスのコップ、硬いブロック、金属の車など、けがをしかねない物は何も言わずにしばらく遠ざけます。

    なぜ? 危ない物をそのままにして言葉だけで注意しても、衝動が高ぶった瞬間に子どもは同じ物をまた手に取ります。説明より環境を整えることが先です。

  2. 感情に短く名前をつけましょう。

    「怒ったんだね」「やりたくないんだね」のひと言で十分です。

    なぜ? 体がすでに高ぶった状態では、長い説明は入りにくいものです。感情を受け止めてもらえたという合図が先に伝わって、子どもは落ち着き始めます。

  3. ひと言で区切りを伝えましょう。

    「投げちゃだめ」。トーンは穏やかに保ちます。

    注意 理由を説明したり、繰り返し強調したり、「どうしてやったの?」と問いかけたりするのは、この瞬間には効きません。短く一度で十分です。

  4. 代わりの行動をすぐ見せましょう。

    「このボールはかごに投げていいよ」。言葉と手ぶりを一緒に使います。

    ポイント 代わりの行動なしに禁止だけ繰り返すと、子どもは止められた瞬間に何をすればいいかわかりません。「だめ」と同時に「これはいいよ」が必要です。

  5. 止まった瞬間をすぐ拾ってあげましょう。

    投げようとして下ろした1秒に気づけば、次もその行動がまた現れます。

    こうやって 「車、下ろせたね」。行動を具体的に言ってあげるほうが、性格をほめるよりずっとうまく働きます。

よくやる反応、もっと合う反応

줄여요大きく驚いたり笑ったりして反応する
대신해요静かに物を片づけて、代わりを短く差し出す。大きな反応そのものが次の投げを呼びます。
줄여요「どうして投げたの?」「何回言えばわかるの?」のような長い説明
대신해요体がすでに高ぶった状態では説明は入りにくいものです。短くひと言、代わりを一つが先です。
줄여요子どもが落ち着くまで待ってから、あとで教える
대신해요落ち着いた直後が教えられるタイミングです。数時間後では子どもも覚えていられません。

❓ よく迷う質問

親がよく尋ねる場面

  • ルールを知っているのにまた投げるのですが、わざとなのでしょうか?ルールを口で復唱することと、怒った瞬間にそのルールを行動につなげることは、脳では別のことです。この時期の子はまだ衝動を止める力が育っている途中なので、わかっていても止められない場面が続きます。意志よりも発達段階の問題です。
  • 毎回叱っているのに、まったくよくなりません。叱ることだけでは「そのあとに何をすればいいのか」を教えられません。代わりの行動がなければ、子どもは止められた瞬間にまた同じ行動を使います。叱ることに「代わりにこれをやってみよう」を添えるほうが効果的です。
  • 人に向かって投げるときも、同じように対応すればいいですか?人を狙った投げは、ほかのタイプの投げと違ってすぐに止めなければなりません。落ち着いてすぐに介入し、物を片づけてから短く区切りを伝えます。「人のほうへはだめ。物を下ろして」。繰り返し人に向かって強く投げたり、家庭でも保育園でもずっとひどくなっていく場合は、小児科や発達の専門家に相談してみるのがよいでしょう。
  • 何日見守れば変化が見えますか?3日だけ、時間帯と直前の場面を書いてみます。降園直後なのか、食事前なのか、片づけの時間なのか、繰り返しが見え始めると、対応もずっと具体的になります。子どもが投げる前に一瞬ためらう瞬間が少しずつ増えていくのが、現実的な変化の合図です。

🗒️ 3日だけ書いてみること

投げる場面を見てみましょう

  • いつ投げるか降園直後、食事前、片づけの時間、寝る前のように、時間帯が繰り返されていないか見ます。
  • 直前に何があったか画面が消えたのか、急な切り替えがあったのか、おなかがすいていたのか、知らない人や場所があったのかを書きます。
  • 探索型なのか、もどかしさ型なのか投げるときの表情が興味深そうなのか、怒っているのかを見ます。
  • 何が助けになったか抱っこ、ボール投げ遊びへの切り替え、静かな空間、水を飲むなど、子どもが落ち着いた方法を残します。

目標は子どもをおとなしくさせることではありません。「投げる」が果たしていた役割をつかみ、同じ衝動をより安全な方向へ使えるように導くことです。最初は大人がそばで繰り返してあげる必要があり、子どもが少しずつ自分でためらう瞬間が増えていくのを見るのが、本当の変化です。

참고한 자료

この記事は、幼児の「投げる」の発達背景、衝動コントロールの発達、親の感情コーチング、肯定的なしつけの資料をもとに、生活の場面に合わせて整理しました。