悲しがる子のそばで落ち着いて手を差し出す親のイラスト

ママを叩く赤ちゃん、
どうして叩くのでしょう

毎回受け止めるの、本当に大変でしたね。育て方が悪かったわけでも、しつけに失敗したわけでもありません。

おもちゃを取られたと思うと手が先に出る子、ごはんを食べさせようとするとスプーンを払いのける子、保育園から帰ったあとに限って手が荒くなる子。叩かれる側はもちろん戸惑いますし、叱るべきなのか、それとも見守るべきなのか、判断に迷ってしまいます。

📋 この記事で見ること

  • 叩く行動がなぜ出るのか、その発達の理由
  • 月齢ごとに行動の意味がどう違うのか
  • 体が疲れているときに、しつけがなぜ届かないのか
  • 今すぐ使える順番と言葉かけ

まず一行でいうと

叩くのは悪い心からではなく、気持ちが大きいのに言葉がまだ足りない時期に、体が先に動いてしまうことです。くせと捉えると対応が強くなり、子どもはかえって混乱してしまいます。

🧠 どうして言葉より先に手が出るのでしょう?

この時期の子どもが叩く理由を一つにまとめることはできません。大きく見ると、次の三つの場面でよく出てきます。

  • ほしいものが阻まれたとき。おもちゃを取られたり、ほしいお菓子をもらえなかったり、遊びが急に途切れたりしたとき。
  • 距離が近くなりすぎたとき。お友だちが急に空間に入ってきたり、大人が急いで近づいてきたりしたとき。
  • 体がすでにいっぱいになっているとき。疲れていたり、お腹がすいていたり、一日のあいだにたまった刺激が多かったとき。

子どもの気持ちは本物です。ただ、その気持ちを言葉で表す力がまだありません。「おもちゃ返して」「近づかないで」「今しんどい」を、言葉の代わりに手で伝えているのです。ZERO TO THREEは、この時期の子どもの攻撃的な行動を、気持ちの言葉以前の表現だと説明しています。

ここに、この年齢ならではの脳の発達の条件が重なります。衝動を止める力、次の行動を思い浮かべる力がまだ未熟です。子どもがルールを知らないのではなく、知っていても興奮した状態では止まることが難しいのです。ZERO TO THREEは「2.5歳の子はルールが何かを言うことはできても、ほしいことをしないように自分で止める力はまだない」と説明しています。

📅 月齢ごとに行動の意味が違います

同じ叩く行動に見えても、月齢によって意味が違い、対応の仕方も変わってきます。

12〜17か月

この時期は
この時期の子は、世界を手で探っています。イヤリングを引っぱったり、ごはんを食べさせる手を払いのけたり、手につかんだものを叩いたりするのは、敵意ではなく感覚の探索に近いものです。
こう助けます
大きな反応をせず、手を取って「やさしく」と短く声をかけながら、やわらかいタッチを見せてあげるだけで十分です。この年齢では、説明よりも気そらし(切り替え)のほうがよく届きます。

18〜24か月

この時期は
攻撃的な行動がもっとも多く出る時期です。気持ちは強く、言葉はまだ足りず、自分で止める力も初期段階です。AACAPの基準では、一日に一回以上でも正常の範囲です。この時期の子は「怒ってる!」「ぼくの!」「近すぎる!」を手で言っています。
こう助けます
長く説明するよりも、短い言葉とともに手を下ろすことを、実際にやって見せてあげるのが大切です。

25〜36か月

この時期は
言葉が増え、結果を部分的に意識し始めます。ところがそのために、親は子がもっとがまんできるはずだと期待してしまいます。ZERO TO THREEは、これをもっともよくある誤解だと指摘しています。言葉が増えても、衝動のコントロールが一緒に育つわけではありません。
こう助けます
この時期は、落ち着いたあとに短くふり返り、次に使える言葉を一言いっしょに考えてみることができます。

⚡ しつけが届かないときがあります

子どもの体がすでにいっぱいになっているときは、どんなに良い言葉も届きません。このときは、しつけよりも状態の回復が先です。

今、このうち一つでも当てはまりますか?

次のうち二つ以上が重なっているときは、しつけの言葉を増やすよりも、まず近くに行って手を止め、次の行動を短く見せてあげるほうが良いです。

  • 降園直後、お昼寝前、ごはん前体のエネルギーが低い時間帯です。この時間は、子どもがいつもよりずっと小さな刺激でも爆発することがあります。
  • 今日はいつもより刺激が多かった日おでかけ、保育園の行事、知らない人、画面の時間が長かった日。感覚の入力が多いと、そのあと家で行動が大きくなります。
  • ほしいものがたった今、阻まれたおもちゃ、お菓子、遊び、抱っこ。ほしかったものが直前に断られたり、取られたりすると、爆発が起きやすくなります。
  • 親の反応が大きいほど、子どもの行動も大きくなった驚いた表情、大きな声、長い説得。こうした反応そのものが子どもにとって強い刺激になり、行動をさらに大きくすることがあります。

チェックが二つ以上なら、今は教えることより落ち着きが先です。子どものそばに静かに座っているだけでも、状態が下がり始めます。

🤜 叩く場面で、まず何をすればいいでしょう?

  1. 近くに行って手を止めます。

    遠くから叫びません。叩かれた子がいたら、まずその子をケアします。

    なぜ近くに行くの? 遠くから叫んだ言葉は、子どもには半分も届きません。目線に合わせて座ると、同じ言葉でもずっと大きく届きます。体を近くに置くこと自体が、子どもにとって安全のサインになります。

    部屋の奥から叫ぶと 子どもは「ママが怒った」という事実だけを覚えて、どの行動が問題だったのかを忘れてしまいます。

  2. ひとことふたことで短く伝えます。

    「叩いたら痛いよ。手を下ろそう。」これだけで十分です。

    なぜ短くするの? 興奮しているときは、長い説明が入っていきません。短い言葉、手ぶり、次の行動を一つ示すほうが、ずっとよく伝わります。

    否定形より、してほしい行動を 「叩かないで」ではなく「手はそばに下ろそう」と伝えると、子どもは何をすればいいかが分かります。この年齢の脳は、否定形の指示を処理するのがより苦手です。

  3. 代わりにできる行動を一つ見せます。

    「ぼくの、返して」または「ママに言って」のどちらか一つでいいです。

    なぜ代わりの行動が必要なの? 禁止するだけで代わりを与えないと、同じ行動がくり返されます。子どもは、その気持ちをどう表せばいいか学んだことがないので、また手が出てしまいます。

    言葉が難しい子なら 手の代わりに大人に近づく、足を踏みならす、クッションをぎゅっと握るなど、体を使う別の方法をいっしょに練習してみることができます。

  4. 5秒待ちます。

    言葉をかけたあとは、静かに待ってあげます。

    なぜ待つの? 子どもが新しい行動を思い浮かべるには、大人よりもずっと長い時間がかかります。5秒のうちにまた言葉を重ねると、最初の言葉がかき消されてしまいます。

  5. できたら、すぐに言葉にして伝えます。

    「手を下ろせたね。えらいね。」この瞬間がいちばん大切です。

    なぜすぐに伝えるの? 子どもは、親がどの行動に反応したかを見ながら、次の行動を学びます。してほしい行動が出た瞬間にすぐ言葉にしてあげると、いちばん早く学べます。

    より具体的にするなら 「えらいね」よりも「手を下ろせたね」のように行動そのものを言葉にすると、子どもは何が良かったのかを正確に分かります。

よくある反応、こう変えてみると

줄여요「なんで叩くの! だめでしょ!」と大きな声で叱る。
대신해요近くに行って手を取り、「叩いたら痛いよ。手を下ろそう」と短く低い声で伝えます。大きな声は、子どもにとってさらに別の刺激になります。
줄여요「どうしてやったの?」と理由を問いただす。
대신해요理由を聞くよりも「おもちゃを持っていかれて怒ったんだね」のように、気持ちに名前をつけてあげます。子どもにはたいてい、理由を説明する言葉がありません。
줄여요叩かれたから同じように手を叩いて、痛いということを教える。
대신해요やり返して叩きません。NHSもAAPも、この方法は「叩いてもいい」と教えるのと同じだと説明しています。

❓ よく迷う質問

親御さんがよく聞くこと

  • わざとやっているのでしょうか?そう決めつける前に、直前の場面を見てみます。疲れ、空腹、急な切り替え、大きな刺激が重なったときに、行動はより大きくなります。子どもが衝動を止める力がまだ限られていることを、まず思い出します。
  • 言葉で説明すれば分かるでしょうか?興奮しているときは、長い説明はうまく入りません。短い言葉一つ、手ぶり、次の行動のほうがよく伝わります。落ち着いたあとに、それも短くふり返ればよいのです。
  • 何回言えば変わるのでしょう?この年齢では、同じ場面で同じ対応を何十回もくり返すことで、パターンが身についていきます。今日一度言ったからといって変わらないのは当たり前です。くり返しそのものが、この年齢の学び方です。
  • 保育園でもやってしまったら、どうすればいいでしょう?お友だちを叩くのは、おもちゃの取り合い、順番の争い、空間への侵入の場面でよく出ます。先生と、どんな場面で、どの子と、いつよく起きるのかを共有すると、対応の方向をそろえることができます。いくつもの環境でくり返されたり、けがが出たりするなら、小児科に相談してみるのがよいでしょう。

📝 3日だけ書いてみること

パターンが見えると、対応も具体的になります

  • いつ始まったか降園直後、ごはん前、寝る前のように、時間がくり返されていないか見てみます。
  • 直前に何があったか画面の視聴、おでかけ、知らない人、大きな声、空腹、急な終わりがなかったかを書きます。
  • 何が助けになったか抱っこ、水を飲む、静かな空間、短い言葉、小さな選択肢のように、子どもが落ち着いた方法を残します。

目標は、子どもをおとなしくさせることではありません。同じ場面で、子どもが体の代わりに使える小さな行動を、一つずつ増やしていくことです。それが、この年齢で学べるスピードです。

PCIT(Eyberg, 1988), Triple P(Sanders, 1999), The Incredible Years(Webster-Stratton, 1997), Tremblay 외(Pediatrics, 2004) Gagne & Goldsmith(2011), Garon, Bryson & Smith(2008), Gottman(1996), ZERO TO THREE, AACAP, AAP(2018), CDC, K-CBCL 1.5-5(오경자, 김영아, 2009) 本資料は診断ではなく、家庭でのコーチングの方向づけのための整理です。気になる症状が続く場合は、小児科または子どもの発達の専門家にご相談ください。