
ことばの発達の遅れが気になるとき
「おむつ持ってきて」と言えば持ってきて、「外に行こう」と言えば玄関へ駆けていくのに、肝心のことばは数えるほどしか出てきません。待っていれば追いついてくるのでしょうか、それとも今確かめるべきでしょうか?
この記事で見ること
- ことばの数と理解力が、別々に育っていく理由
- 単語の数より先に見るべき4つのサイン
- 月齢ごとの目安をどう読めばいいのか
- 「もう少し待ってみましょう」が危ないとき
まずは一言でいうと
ことばが少ないというのは、表出言語がゆっくり育っているということです。ところが理解言語は、表出よりもずっと早く先を進んでいきます。だから、ことばは数えるほどしか出てこないのに、言っていることは全部わかっているように見える子が出てきます。大切なのは単語の数ひとつではなく、理解言語と表出言語がいっしょに育っているか、そして子どもが望んでいることをどんな方法で伝えてくるか、です。
🔍 単語の数を数える前に、まず見ること
ことばが心配になったとき、親がいちばん先にするのは単語を数えることです。「今、いくつ話せるかな?」と思い浮かべてみますが、この数字ひとつが不安のものさしになってしまうと、ほかの大切なサインを見落としやすくなります。
単語の数といっしょに、必ず見ておきたいこと
下の4つがいっしょに育っているか確認してみてください。単語の数が少なくても、これらのサインが見られるなら、表出言語が少しゆっくり育っている場合かもしれません。
- 理解言語身ぶりなしで、なじみのある指示に従えるか見てみます。「ボールちょうだい」「くつ持ってきて」「ドア閉めて」のような一段階のお願いに反応するなら、理解言語はよく育っているというサインです。
- 指さしと見せることほしいものを指さしたり、おもしろいものを親に見せようとしたりする様子があるか確認します。この行動はことばより先に出てきて、子どもが伝えたいと思っているしるしです。
- 目を合わせることと共同注意なにかおもしろいものや変わったものを見つけたとき、親のほうを見るか見てみます。同じものをいっしょに見ようとするこの行動を共同注意といい、ことばの発達の大切な土台です。
- 見立て遊び車を押したり、お人形にごはんを食べさせるふりをしたり、電話を耳にあてたりする様子があるか見てみます。こうしたつもり遊びは、ことばが出てくる前に先に育つ、認知発達のサインです。
この4つがだいたい見られるなら、表出のことばが少し遅れて出てくる場合です。反対に、単語の数が少ないうえに、これらのサインもいっしょに弱いなら、小児科や言語の専門家に確認してもらうときです。
📅 月齢ごとの目安、どう読みましょうか?
発達の目安は「この時期に必ずできなければならない」という決まりではありません。多くの子がこの時期にこういう様子を見せる、という幅のことです。その幅から大きく離れたら、確認してみようというサインとして読めばいいのです。
このころ(18か月前後)
「ママ」「パパ」のほかに単語を3つ以上使い、身ぶりなしで一段階の指示に従います。ほしいものを指さしたり、引っぱって知らせたりする様子も見られます。CDCのマイルストーンは、この時期の子が関心のあるものを指さして見せる行動を、おもなサインとしています。
このころ(24か月前後)
「お水ちょうだい」「パパ行く」のような二語のつながりが出てきて、50語くらいの単語を使います。本の中のものを指さし、「ぼく」「わたしの」のような代名詞が出はじめます。
このころ(30か月前後)
「見て!」「これなあに?」のようなことばを言い、動作のことばが入った二語以上の文を使います。ほかの子のそばで遊んだり、いっしょに遊んだりする様子も出てきます。
二言語の環境で育つ子は、片方のことばだけを数えると少なく見えることがあります。二つの言語を合わせた総語彙で見るのが正しく、二つの言語を交互に使うこと自体は正常な発達です。
⚠️ 待ってはいけないサイン
「男の子だからことばが遅くても大丈夫」と言われることがありますが、性別によることばの発達の差は、実際には1〜2か月ほどです。子どもによって個人差はありますが、下のサインが見られたら、待つよりも確かめるほうが安心です。
小児科または言語の専門家への相談が必要なサイン
- 名前を呼んでも、ほとんど反応がありません顔を向けたり、音のするほうを確かめたりする反応がくり返し見られないなら、ことばよりも聴力や社会的な反応を先に確認する必要があります。
- できていたことばやことが減りました以前使っていた単語や、できていたことがなくなる後退は、どの月齢でもすぐに確認が必要です。単語の数が少ないことよりも優先するサインです。
- 指さしがまったくありませんほしいものを指さしたり、おもしろいものを見せようとしたりする様子が、この時期まで見られないなら、ことばだけでなく社会的な発達もいっしょに確認します。
- ことばも少なく、理解も弱いみたいです単語が少ないうえに、かんたんな指示にもうまく従わないなら、表出言語だけが遅い場合とはちがうかもしれません。二つがいっしょに弱いときは、相談のタイミングを遅らせません。
🗣️ よく迷う質問
親がよくたずねること
- 乳幼児健診では大丈夫と言われました健診はその日のスナップショットです。健診の結果がよかったとしても、その後に心配が出てきたら、もう一度確認してもらうのが正しいです。とくに、以前できていたことが減ったり、名前への反応がだんだん少なくなる変化があれば、健診のあいだでも小児科に行ってみてかまいません。
- 保育園に通わせればことばが増えますか?同じ年ごろの子といっしょの環境は、ことばの刺激になりますが、発達の遅れがある場合は、待つだけの時間になってしまうこともあります。心配があるなら、保育園を待ちながら先延ばしにするよりも、まず評価を受けてみるのがよいです。
- スマホをたくさん見せたからでしょうか?画面を見る時間が多いと、やりとりする会話の経験が減ることがあります。ただ、画面が原因なのか、ほかの発達の差がいっしょにあるのかは、専門家にいっしょに見てもらわないとわかりません。画面を減らしながら様子がよくなるかいっしょに見守りつつ、心配が続くなら相談を先延ばしにしません。
💡 今日ひとつだけ変えてみること
ことばの発達を助ける特別な方法よりも、子どもが声を出し、身ぶりをして、指さしする瞬間に、短く反応してあげることが先です。
指さしたものに名前をつけてあげます
子どもが指で何かを指さしたら、「わんわん!」と短く名前だけ言ってあげます。「あれなあに?」とたずねるより、先に名前を聞かせてあげるほうが、ことばを覚えるのによく合っています。
話す前に2〜3秒待ちます
コップを指さしたら、すぐに渡す前にちょっと待ってみます。「お水?」と言ってあげて待つと、子どもがもう一度指さしたり、声を出したりする機会が生まれます。表現のきっかけを開けておく、短い間です。
絵本はたずねずに、いっしょに見ます
本を読むとき「これなあに?」と何度もたずねるより、「わあ、ねこだ!」と親が先に反応するやり方のほうが効果的です。テストではなく、いっしょに見る経験がことばを引き出します。
根拠: 질병관리청 국가건강정보포털 「언어장애(아동 언어장애의 진단과 치료)」、대한소아청소년과학회 「만 2세까지 도달해야 할 발달 단계는?」、보건복지부 임신육아종합포털 아이사랑 「장애 위험/발달지체 영유아」 및 「관계와 소통 13~24개월」、CDC Learn the Signs. Act Early. 18か月・2歳・30か月のマイルストーンおよびKey Points、AAP HealthyChildren 「Language Development: 2 Year Olds」、ASHA Practice Portal 「Late Language Emergence」。 参考URL: https://health.kdca.go.kr/healthinfo/biz/health/gnrlzHealthInfo/gnrlzHealthInfo/gnrlzHealthInfoView.do?cntnts_sn=6188 https://www.pediatrics.or.kr/bbs/index.html?category=B&code=infantcare&mode=view&number=48&page=2 https://www.childcare.go.kr/?menuno=654 https://www.childcare.go.kr/?menuno=454 https://www.cdc.gov/act-early/milestones/18-months.html https://www.cdc.gov/act-early/milestones/2-years.html https://www.cdc.gov/act-early/milestones/30-months.html https://www.cdc.gov/act-early/milestones/key-points.html https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/toddler/Pages/Language-Development-2-Year-Olds.aspx https://www.asha.org/practice-portal/clinical-topics/late-language-emergence/ 本資料は診断ではなく、親の観察と相談の判断を助けるための情報です。気になるサインが続くときは、小児科・言語リハビリの専門家にご相談ください。