子どもを腕に抱き、聞き慣れた声であやしながら立ち直りを助ける親

愛着が育つ時期と、ママばかり求める赤ちゃん

パパが両手を広げて抱き上げると、体を後ろにそらして泣いてしまう。それなのにママの腕に移った瞬間、泣き声がうそのようにおさまる。パパは複雑な気持ちになります。「一日中抱っこしているのに、自分とは愛着が育っていないんだろうか」

この記事で見ること

  • ママが抱くとぴたっと泣きやむのは、愛着の量の差ではなく、慣れの積み重ね方の違いです
  • 子どもは複数の人に同時に愛着を育てます。ママとの愛着が強いからといって、パパとの愛着が押しのけられるわけではありません。
  • パパへの愛着は、ママへの愛着の弱いバージョンではなく、違うかたちで育ちます
  • 人見知りやしがみつきが強いほど、むしろ愛着がしっかり育っているサインです

🏠 親が実際につまずく場面

パパが両手を広げて抱き上げると、子どもは体を後ろにそらして泣きます。ところがママの腕に移った瞬間、泣き声がうそのようにおさまります。まだ言葉がうまく出ない子は手をのばし体をよじって「あっち」を指さし、話せる子は「ママ!」とだけ叫びます。

この場面が繰り返されると、パパは複雑な気持ちになります。仕事から帰って毎日抱っこしてきたのに、自分のことが好きじゃないのかな、愛着がうまく育っていないんじゃないか、と感じてしまいます。同時にママも疲れます。私ばかり求められてトイレにも一人で行けない、という疲れは本物で、誰のせいでもありません。

まず一言でいうと

ママが抱くとより早く落ち着くのは、愛情の量の差ではなく、慣れがよりこまやかに積み重なった結果です。お子さんはもう、ちゃんと育っています。

💡 なぜママの腕の中でだけぴたっと泣きやむの?

子どもが泣いていてもママの腕の中で落ち着くのは、ママのほうが愛されているからではありません。子どもの脳は、とても具体的な組み合わせを覚えていきます。いつも同じトーンで先に声をかける声、抱かれていた姿勢と体温、お風呂・ごはん・寝かしつけの順番、泣き声をすばやく気づいて合わせてくれた経験。それらが幾重にも積み重なって、その組み合わせがそのまま「安心のサイン」になるのです。

わかりやすく言うと、子どもにとってママのにおいと腕は、すでに何百回も確かめられた安全な場所です。泣いたときに早く落ち着くのは、その場所に入れたからで、パパの腕の中で体をそらして泣くのは、その安心できる場所にまだ入れていないからです。これはパパを嫌っているとか、愛着がないということではありません。慣れを積み重ねる時間がもう少し必要だということです。

子どもに慣れが積み重なる瞬間たち

  • 声が先抱き上げる前に、いつも同じトーンで先に声をかけること。
  • においと腕抱かれていた姿勢、体温、胸にもたれていた角度。
  • 反応の速さ泣き声や表情の変化をすばやく気づき、合わせてくれた経験。
  • ルーティンの順番お風呂、ごはん、寝かしつけ、といういつも同じ流れ。
  • 一緒にした遊びその人とだけしていた楽しいからだ遊びや、特別な繰り返しのゲーム。

👨‍👩‍👧 パパへの愛着は、ママへの愛着の弱いバージョンではありません

SchafferとEmersonの研究(1964)では、乳児は主な養育者一人だけに愛着を育てるのではなく、関わりのある複数の人に同時に愛着を育てることが確かめられました。ママに強い愛着があるからといって、パパへの愛着が押しのけられたり奪われたりするわけではありません。

興味深いのは、パパとの愛着が育つかたちが、ママとは違うことが多いという点です。Grossmannら(2002)の縦断研究は、パパとの楽しいからだ遊び、危険を前にしたときにそばで励ますやり方、探索を一緒にする経験が、子どもに別の種類の安心感を積み重ねることを示しています。ママがつらい瞬間に落ち着かせる役を担うなら、パパは世界を探索するのに必要な勇気を育てる役を担うことが多いのです。

ですから、パパが抱いたときに早く落ち着かないからといって、愛着が弱いわけではありません。子どもがパパに頼る瞬間とそのかたちが違うだけです。パパが楽しく遊んでくれるときに目を輝かせたり、新しいおもちゃを先にパパのところへ持っていったり、転んだときにパパの様子をうかがったりするのも、すべて愛着が育っているサインです。

😰 人見知りが強いほど、むしろちゃんと育っています

生後6〜9か月前後で、急に知らない人を見ると泣いたり、保育園に預けるときに涙をこぼしたり、ママの足にしがみつく子を見ると心配になります。でもこの人見知りは、社会性が低いのではなく、むしろ愛着がしっかり根づいているサインです。

人見知りが始まるということは、子どもがすでに、慣れた人とそうでない人をはっきり区別できるようになったということです。区別がついたからこそ、見慣れない状況で不安を感じ、その不安をママやパパに伝えているのです。人見知りのない子よりも、人見知りがはっきりした子のほうが、主な養育者との関係をよりくっきり覚えていることが多いのです。

この時期の正常範囲に近い様子

🤔 よく迷う質問

親がよく尋ねる場面

  • パパと二人きりだとずっと泣くのですが、どうすればいいでしょう?まずは、子どもが落ち着いているときに一緒に過ごす時間を増やしてみてください。ピンチの場面よりも、遊び・お散歩・お風呂のような落ち着いた場面のほうが、慣れが早く積み重なります。子どもが泣いているときにパパの声を先に聞かせ、ママがすぐそばにいる状況から少しずつつないでいくのも一つの方法です。
  • 保育園に預けるたびに泣きます。分離不安でしょうか?離れるときに泣くのは、この時期には自然な反応です。引き渡したあと数分以内に落ち着くなら、心配いりません。長くとどまるほど、出たり入ったりを繰り返すほど、かえってつらくなることが多いです。短く、見通しの立つかたちで切り上げて出ていくのが助けになります。
  • 私ばかり求められてママが疲れます。どうしたらいいでしょう?ママをたくさん求めるのは、この時期の発達ではよくあることです。疲れる気持ちは本物で、誰のせいでもありません。一度に長く離れるより、短い分離を何度も成功させながら、ママはすぐ戻ってくる、という経験を少しずつ積み重ねていくほうが効果的です。
  • いつ専門家に相談すべきでしょうか?離れるときに泣く程度を超えて、嘔吐・過呼吸・長時間落ち着けない状態が繰り返されたり、再会したあとも一日中極端にくっついていて睡眠や食事まで崩れる場合は、小児科や発達の専門家に相談してみてください。

📋 3日間観察してみること

  1. どんな状況で特定の人だけを求めましたか?

    眠るとき、けがをしたとき、見慣れない場所にいるときを分けて書いてみましょう。すべての状況なのか、特定の状況だけなのか、パターンが見えてきます。

  2. そのとき子どもの状態はどうでしたか?

    眠気、空腹、具合の悪そうな様子、新しい刺激が多かったかを一緒に見ます。調子のいいときはパパともうまく過ごせる子が、疲れたときだけママを求めるなら、それは愛着の問題ではなく、立ち直り方の違いです。

  3. 泣く直前の、小さなサインは何でしたか?

    体をそらす、視線をそらす、手をのばす、といった小さなサインに前もって気づけると、泣きが大きくなる前に反応できます。

  4. どんな順番で早くおさまりましたか?

    先に声を聞かせたときと、すぐ抱き上げたときの、どちらがよりスムーズに切り替わったかを比べてみましょう。

目標は、子どもを早く変えることではありません。子どもがどんな瞬間にくつろぎ、どんな瞬間に揺れるのかに気づいて、次の経験をもう少しやわらかくしてあげることです。

참고한 자료

この記事は、SchafferとEmerson(1964)の複数愛着研究、Grossmannら(2002, Social Development)の父親と子どもの愛着に関する16年間の縦断研究、米国小児科学会(AAP)HealthyChildrenの人見知り・分離不安の資料、ZERO TO THREEの乳幼児の分離不安の資料、OPRE/ACFの共同調整に関する研究ブリーフをもとに、アイムムルの視点に合わせて暮らしの言葉でまとめました。