
げんこつしゃぶりと赤ちゃんの手しゃぶり
授乳したばかりなのに赤ちゃんが手を口へ運んでチュパチュパしゃぶると、親の頭にはすぐに「授乳量が足りないのかな」という考えがよぎります。あげてもまた欲しがっているのかと思って、おっぱいや哺乳びんをもう一度くわえさせることも多いですよね。でも、この時期の手しゃぶりには、空腹のほかにも発達上の理由があります。
🔍 この記事でわかること
- 手しゃぶりには空腹のほかにどんな理由があるのか
- 新生児期の初めと2〜3か月では、手しゃぶりの意味が違うこと
- 空腹のサインと自分をなだめる行動をどう見分けるか
- おしゃぶりを使ってもよいか、そしていつ気をつければよいか
まずは一言でいうと
0〜3か月の手しゃぶりには、3つの役割があります。口で何かを探ろうとする反射的な反応、感覚を通して自分をなだめる役割、そして本当の空腹のサイン。この3つは見た目は似ていますが、赤ちゃんの体全体をいっしょに見れば見分けることができます。
🍼 どうして手が口へ向かうのでしょう
新生児は生まれたときから、口の周りに何かが触れるとそちらを向いてしゃぶろうとする反射を持っています。これを「探索反射(ルーティング反射)」と「吸啜反射」といいます。手がたまたま口の近くに触れると、反射的にしゃぶるようになるのです。生後4〜5週ごろは手足の動きがまだぎこちないため、こうした偶然の接触がよく起こります。
ところが生後6〜8週を過ぎると変わってきます。反射よりも意図が少しずつ混ざりはじめます。手を目の前に持ってきてじっと見つめ、ゆっくり口へ運ぶ様子を見せることもあります。これは「自分の手があるんだ」と気づいていく過程です。実際にAAPの発達マイルストーンによると、3か月ごろの赤ちゃんが手を口へ運ぶことは、運動発達の項目の一つとして正常にあらわれます。
🧘 しゃぶることが赤ちゃんを落ち着かせる理由
しゃぶることは、この時期の赤ちゃんにとって強力な安心の手段です。授乳と関係なく、しゃぶる動作そのものが赤ちゃんの体を落ち着かせます。授乳のガイドラインでも、空腹でないときにおしゃぶりを使ったり手をしゃぶらせたりすることを禁じてはいません。しゃぶることは、赤ちゃんが自分で自分をなだめられる最初の方法の一つなのです。
この時期の赤ちゃんは、音や光、見慣れない顔といった外からの刺激を自分で調整する力がまだとても小さいです。ママやパパに抱っこされるのと同じように、しゃぶることもそうした揺らぎを少しのあいだしずめるのに役立ちます。静かに手をしゃぶりながら眠りに落ちたり、泣きやんだりするのはそのためです。
😮 では空腹のサインはどう違うのでしょう
手しゃぶりだけで空腹を判断しにくい理由があります。空腹のときも手をしゃぶりますが、おなかがすいていなくてもしゃぶるからです。空腹は、手しゃぶりよりも前に別のサインからあらわれます。
空腹のサイン、手しゃぶりより前に見ておきたいこと
手しゃぶりだけがあって、上のサインがなければ、空腹以外の理由である可能性があります。特に授乳から1〜2時間以内なら、なおさらです。一方、2時間以上たっていて、口を活発に動かしているのになだめても落ち着かないなら、授乳するのが正解です。
🗓️ 最初の時期と2か月以降で違う理由
生後4週以内は、新生児の胃がとても小さいです。母乳は1.5〜2時間、ミルクは2.5〜3時間で消化されるため、すぐにおなかがすきます。この時期の手しゃぶりは、空腹のサインである可能性が比較的高いです。授乳間隔がまだ定まっていない時期なので、少し迷っても、まずは試してみるのがよいでしょう。
生後6〜8週を過ぎると変わってきます。授乳のリズムがある程度ととのい、手と口がつながる探索行動も増えます。このころからは、手しゃぶりが感覚の探索や自分をなだめる意味であらわれることが多くなります。授乳から30分もたっていないのに手をしゃぶったり、しゃぶっている最中も目が周りを見回したりしているなら、必ずしも空腹とはかぎりません。
❓ よく迷う質問
- おしゃぶりを使ってもよいですか?
おしゃぶりは、この時期の吸いたい欲求を満たす方法の一つです。ただし母乳育児を始めてまもない場合は、おっぱいのくわえ方が先に身についてから使うのがよいでしょう。授乳のリズムが安定している状態なら、お昼寝やぐずる時間に活用できます。
- 手しゃぶりはやめさせるべきですか?
この時期はやめさせる必要はありません。手しゃぶりは正常な発達行動です。ただし、手がとても冷たかったり、しゃぶり続けて皮膚が荒れたりただれたりするようなら確認してみてください。手をきれいに拭いてあげる程度で十分です。
- しゃぶる音がとても大きいと、おなかがすいているのですか?
必ずしもそうとはかぎりません。空腹のときは、しゃぶる音よりも、授乳するとすばやく集中して飲み込む音がします。音だけで判断するより、授乳からどれくらいたったか、ほかの空腹のサインがあるかをいっしょに見ましょう。
- 手の代わりに服や布団をしゃぶっても大丈夫ですか?
この時期は、口で探ることは自然なことです。清潔な状態か、窒息の危険がない大きさかだけを確認すればよいでしょう。布団の端をしゃぶりながら眠りに落ちるのは、よく見られる姿です。
✅ 今日確かめてみたいこと
手しゃぶりを見るとき、いっしょに確かめたいこと
- 最後の授乳からどれくらいたっていますか1時間以内なら、空腹より別の理由である可能性があります。2時間を超えていたら、空腹のサインをいっしょに見ましょう。
- 口と顔が動いていますか口を開けたり閉じたり、顔を向けて探す様子があれば空腹のサインです。手だけをしゃぶっているなら、なだめている可能性があります。
- 抱っこしたり姿勢を変えたりするとどうなりますか抱っこするとしゃぶるのが止まって静かになるなら、不快だったか、なだめが必要だったのです。授乳すると集中して飲み込むなら、おなかがすいていたのです。
- おむつと体重はどうですか授乳が足りているかは、1日のおむつの枚数と健診での体重で確認します。手しゃぶりだけで授乳量を判断しないようにしましょう。
手しゃぶりを見るたびに授乳から始めるよりも、いったん立ち止まってほかのサインをいっしょに見る練習をすると、親にとっても助けになります。赤ちゃんが送るサインを少しずつ読み取っていくうちに、おなかがすいているのか、なだめが必要なのかが、だんだんよく見えてくるようになります。
참고한 자료
この記事は、0〜3か月の赤ちゃんの吸啜反射、空腹のサイン、自分をなだめる行動に関する資料をもとに、親が日常のなかで見分けられるようにまとめました。